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2016-11-10 12:01:00
トランプ新大統領がどのような政策をとるかということだが、だいたいのイメージはこれまで公言してきたことではっきりしている。残る問題は、旧体制と妥協の可能性がないかということと、現実の問題に出会った場合、どの程度手直しするかということだけだろう。★シリア問題に関する放言や、日本や韓国の政治についての放言は、大いに氏の本音であろう。今後米国は「自国中心」に構えるから、シリアもウクライナも、ロシアにフリーハンドを与えてもよいと。(そもそも米国の長年の中東政策そのものが、とんだ失敗だったのではないか。イラク征伐でフセインを殺したが、あのときパウエル国務長官は言っていた。米国がいまフセインを殺しても、イラクにまたフセインのようなものが現れてイラクを安定させるまでイラクが治まらないというだけのことではないかと。)日本や韓国は、再軍備でも憲法改正でも核武装でもしたけりゃなんでもするがよい。日本と韓国が「よりあてになる国」になって、米国がこうあってくれということをして呉れれればよいだけのことだと。条約もへったくれも要らない。米国に余計な負担をかけないでくれればよいだけのことだと。★移民なぞ、もう認めなくてよい。各国自分の領内で自分の政治をしておればよい。貿易条約など無用のことである。米国の市場を欲する国にはそれだけの高い代価を払ってもらうだけのことだと。★思うに、従来の米国の国策では、もう前進できることが米国にはほとんどなくなっているという認識が、暗黙に米国社会にあるのだろう。であれば、従来決まりきった枠に入ってしまったことを一方的に取り外して「転機」を図るしかないが、その「転機」がいままでの体裁でできない。このへんにトランプ氏の効用があるのではないか。いろんなことを口走っているように見えながら、(それはそれ自体従来の常識から言えば大変なことかもしれないが)そこを外して考えると、それほど大した新奇なことも言っていない。★ただ、この人物は資産家なので、資産の運用については単純に他人の見解には従うまい。もしこの人物が従来のFRBの政策を疑問としたときには、どうなるか。従来の国債政策や低金利政策を問題にするとなるとどうなるか。この点はもう少し様子を見なければなるまい。