インフォメーション

2016-10-08 23:54:00
大前研一氏、ロシア・ショック(3) 現在の日ロ交渉や、その将来を考える場合、双方の指導者の今後の「在世期間」の考慮は、忘れてはならない。★ロシア大統領プーチン氏の場合、この人物は2000年から2008年まで2期間大統領を務めた後、大統領職をメトヴェージェフ氏に渡し、自分はその下でロシア首相を務めた。しかしその間も実権は明らかにプーチン氏のほうにあり、メトヴェージェフ氏のほうがそれを支えている感があった。プーチン氏は2012年に大統領に復帰し、2020年までは間違いなく続くだろうとみられている。恐るべきロングランの政治家だ。★他方我が国の安倍首相は、2012年から首相になって、その自民党総裁任期は2018年までだが、今の政局ではいずれそれを延長して2020年まで、すなわち東京オリンピックの年まで在職するのではないかと見られている。これまた立派な長さだ。★現在の欧米諸国の政治の不安定さを見ると、現職で同じ人物が2020年まで職を失わない人物があるかどうか、たいへん疑問である。現在選挙戦中の米国を除くと、G8級の政治家で2020年まで続くのはプーチン氏と安倍氏だけかもしれない。このことは両者の行う外交交渉に非常な安定性をもたらすだろう。今後とも必要とあれば何度でも外交交渉を続けられるからである。★日ロ交渉については、外交交渉が首相官邸と経産省主導で進み、外務省が脇役になっているという日本の今の姿も、そのことだけで言えば大変に不規則だが、外務省も致し方なしとせざるを得ないのではないか。★大前研一『ロシア、ショック』第1章 の「4・2020年まで続くプーチンのロシア」に、プーチン評が書かれている。よく2008年にここまで予見したね。