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2016-10-07 22:33:00
日ロ関係の21世紀という書き込みを10回ほど続けてきた。ところでこのほど、大前研一氏『ロシア・ショック』講談社、2008年を手にした。数年前の本であり、いまではここに書かれたことと違った現実になっている面ももちろんあるが、この本の全体が私たちに示している議論は、今日、安倍首相がロシアのプーチン大統領と協議中の日ロ関係の交渉と大筋で符合していると私は思う。この本が示している主要な論点を、数回にわたってみなさんにご紹介しよう。★私がこれまで「日ロ関係の21世紀」として10数回記入してきた現実認識を、この大前著に照らして、明らかに私が間違っていた点のみまず大急ぎで示しておきたい。★1 私は「シベリア」という言い方を盛んにしてきたが、これは誤解を招くようだ。大前著によればロシアは7つの連邦管区に分かれていて、ヨーロッパ側からアジア側へ向かって数え上げると、北西連邦管区、中央連邦管区、南連邦管区(この3つの管区は北から南に揚げた)、沿ヴォルガ連邦管区、ウラル連邦管区、そして、シベリア連邦管区、極東連邦管区。しかり。日本に接しているロシアの地方は、「極東連邦管区」である。シベリアという言い方をすると、それよりヨーロッパ寄りの「シベリア連邦管区」を指すように聞こえる。(56ページ)★2 私は「第2シベリア鉄道線」という名を挙げたが、これは未完成の開発路線で、確かにソ連邦当時はこの第2シベリア鉄道線の完成に当局は熱心であった。それは確かにサハリンの対岸から発足する。しかし今日ロシアが話題にし、韓国などでも話題になっているのは、サハリンの対岸からウラジオストクへ向けて鉄道を敷いて、いわゆる「第1シベリア鉄道」につなぐことである。また、この「第1シベリア鉄道」を強化して、新幹線化したりすることである。今のロシアでは日本車の評判は極めてよく、もちろんよく売れる。そしてロシア人は日本車がロシア国内で製造されることをあまり評価しない。日本からの輸入で何ら問題ない。ただ、たとえばモスクワやサンクトペテルブルクまで日本車を運ぶのが大変で、海上輸送ルートなら60日もかかり、シベリア鉄道を使っても20-25日もかかる。(123ページ)それ故に、もしシベリア鉄道線が高速化されるならメリットだろうということになろう。あるいは北極海航路でも、まさか60日はかかるまい。もっと早いはずだ。★そういうことをされたら、韓国の自動車が日本との競争上大変だという含みであろう。