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2016-10-04 10:35:00
日ロ関係の21世紀(5) いまこの地上で、つまり地球上で、しかるべき開発案件を考える場合、シベリア開発に匹敵する開発案件は乏しいだろう。★いま南北アメリカ、欧州、中近東とアフリカ、中央アジア、東南アジア、どこを見渡してもそもそも現実的な開発意欲すら見当たらない。他方で、新たな居住地を求める人口は世界中にあふれかえっている。★18-19-20世紀には、知っての通り、南北アメリカとオセアニアのオーストラリア・ニュージーランドが、西欧の膨大な余剰人口を受け入れる受け皿となった。この南北アメリカとオセアニアに匹敵する地政学がいまの地球に必要である。潜在的な資源が多く、人口密度が極めて薄いシベリアは、その適地ではないか。★しかしいまのロシアの政治・経済体制がそれを現実に果たしうる能力を備えてはいないことは、ロシア人自身が一番知っているだろう。日本の資本を参加させ、欧米の資本も呼び込み、アジアの資本も招待すれば、それがなるかもしれない。その最初のステップのところを、いま日ロだけで行っているわけだ。★たとえいま、どんな話が成り立っても、事柄全体の性質上いずれは世界の全体がかかわってくることになる。「成功しそうな話」であるほど、そういうことになる。(ただ、いまの地政学だと、中国の参画をなるべく後回しにしようという計算が日ロ双方に働くのは、いたし方あるまい。中国からすれば、乗りたくて仕方がない案件だが、日ロは中国を警戒するわけである。)