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2016-09-25 09:38:00
『徒然草』174段、「小鷹によき犬、大鷹に使ひぬれば、小鷹にわろくなるといふ。大につき小を捨つることわり、まことにしかなり。」(訳 小鷹狩りに適した猟犬を、もし大鷹狩りに使うと、猟犬が小鷹狩りにはもう適さなくなるということだ。猟犬が大鷹狩りの獲物であるキジ、ウサギのような大きな獲物をとることに慣れてしまうと、小鷹狩りの獲物であるウズラ、ヒバリのような小鳥をとることを問題にしなくなってしまうからであると。)★ このように最初の部分だけを読めばこれで174段全体の趣旨がわかる。仏道という大事を志す者は、それ以外のことは問題にしなくていいのだ。この例話のような、「賢い猟犬」のようになればよいのだ。要約「大につき小を捨つることわり」。★ 俗にいう「大事の前の小事」。ただ、何が「大事」で、何が「小事」なのか、人生の上でそれを見分ける主体性が本人に必要であろう。この「見分け」が、私ども俗人には非常に難しいようだ。