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2016-09-11 19:11:00
小西甚一『古文の読解』第1章「むかしの暮らし」・「きもの(女性)」。原文の「きものをどう着るか」を数回に分けて載せる。今日は平安時代の「女性編」。絵がないと面白くないが、適当な挿絵を参照するか、あるいは単にご想像ください。★ 小西さんの説明は、今の女性の和装が「小袖」であるのに対して、当時の女性が「広袖」だったと、まず袖を強調する。「小袖」の場合には、袂の下部が場合によってはものでも入れられるように閉じている(もっともふつうはものはいれない)のに、「広袖」は袂の下部に何もいれようがないオープン構造になるわけで、まことに寒々とする。★ 当時の女性は、まず「下袴」(ブルーマー)を穿き、その上に「表袴」(裾を引きずるようなスカート)を身に着ける。下着(ないしは長襦袢)に当たるものが「単衣」(ひとえ)。その「単衣」を着る。その上に「うちぎ」という、裾を引きずるような衣類を何枚も身に着ける(この「うちぎ」の色の重ね方がおしゃれの要点だそうだ)。一番上になる「うちぎ」が「表着(おもてぎ)」で、「表着」が外から全面的に見える部面ということになる。これが普段の服装。正装の場合には、さらにこの上に、「唐衣(からころも)」を着、「裳(も)」というものを穿く。★ このようにきんきらきんになってしまうと、遠くからちょっと見たくらいでは誰が誰やら区別がつくまい。どうせ顔は扇などで隠してしまうし。★ 相手の人を見るには、「文のやりとり」、「和歌のやりとり」で察するしかない。★ わがアイランドコーポで、見ず知らずの顧客を「察する」には「メールのやり取り」で行うわけで、単調な証明書類などよりよほど正確にそのお方のお人柄がわかります。