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2016-09-08 16:43:00
小西甚一『古文の読解』第1章「むかしの暮らし」・「あかずの格子」。この挿話の趣旨は簡単だ。平安時代の建築「寝殿造り」で、廊下と母屋である大部屋の間は、「格子」(こうし)で仕切られている。この格子の上の部分は、ピアノの蓋みたいに、上に揚げることができる。では下半分はどうか。「格子の下半分は固定されていて、動かせないのではないか」という解釈も多いが、実際は下半分も動かせて、ここから人が出入りしたのではないか、と小西さんは言う。証拠は次の通り。(ほかにも例文は出ていたが、省略しました。)「おうな」は翁の妻です。漢字がなくて出せません。 ★竹取物語より。「母屋の内には、女どもを番におきて守らす。おうな、塗籠の内にかぐや姫を抱かへており。翁も塗籠の戸をさして、戸口にをり。翁のいはく『かばかり守る所に、天の人にも負けなむや』と言ひて、屋の上にをる人々にいはく、『つゆも物空にかけらば、ふと射殺したまへ』。守る人々のいはく『かばかりして守るところに、蝙蝠(かはほり)ひとつだにあらば、まづ射殺して外にさらさむと思ひはべる』と言ふ。」★天のみ使いが降りてきて、結局抵抗できず、かぐや姫は月の都に帰ることになった。「『いざ、かぐや姫。きたなき所にいかで久しくおはせむ』と言ふ。たてこめたる所の戸、すなわちただ開きに開きぬ。格子どもも、人はなくして開きぬ。おうな抱きてゐたるかぐや姫、外に出でぬ。え留めまじければ、たださし仰ぎて泣きをり。」★ 質問。この例文で、母屋の格子の下半分は、閉まっていてあかないものですか。それとも必要があれば開くものですか。答。後者です。塗籠とは、母屋の中の小さな部屋。