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2016-09-06 22:57:00
『徒然草』49段 「要約」「常に死を意識していよ」ここでは三段のうち最初の二つの段をそのまま掲げよう。このまま読んでほとんどわかるよ。★「老来たりて、始めて道を行ぜんと待つことなかれ。古き墳、多くはこれ少年の人なり。はからざるに病を受けて、たちまちにこの世をさらんとする時にこそ、はじめてすぎぬるかたの誤れる事は知らるなれ。誤りといふは、他の事にあらず、速かにすべき事をゆるくし、ゆるくすべきことをいそぎて、過ぎにし事のくやしきなり。そのとき悔ゆとも、かひあらんや。」★ 「古き墳(つか)、多くはこれ少年の人なり」と書いてある意味は、「あなたは老人になってこれから死ぬ覚悟をしようというのだろうが、そのへんにある墓をみたまえ、みな幼くして死んだ人々だよ(まごまごしなさるな)」ということであろう。「はからざるに病を受けて、たちまちにこの世を去らんとする時にこそ、はじめてすぎぬるかたの誤れる事は知らるなれ」(しんみりとした一句です。) ★「人はただ、無常の身に迫りぬる事を心にひしとかけて、つかのまも忘るまじきなり。さらば、などか、この世の濁りも薄く、仏道を勤むる心もまめやかならざらん。」★「この世の濁りも薄く」とは、現世の汚辱(功利心)に執着する心も薄くなり、という意味でしょう。 ★ 木藤さんの「解説」で、「無常」の代表例とされた段を、最初から、49,74,75,137,166,174,188,241,242段の順にあげることにします。これが49段(老来たりて)ですね。+