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2016-09-02 09:22:00
『徒然草』の内容は、243段の短文である。内容がこのように細切れになっており、各段は必ずしも順番があるわけではない。だから「読む」といっても、私どものような素人は1日に一段ずつでも読めたら上出来だ。つまり『徒然草』だけでも1年弱続くことになる。★ 私ができそうなことは、丁寧な(権威のある)注解を書くことではない。(それはどなたか玄人衆がやっている)私ができそうなのは勝手な感想を書くぐらいのものだ。★ こういうことをするとなると、「版本がうんぬん」というご託がよく出てくるが、私はこの「新潮古典集成」の一、『徒然草』をたった108円で札幌某ブックオフで入手した。(同時に『竹取物語』、『伊勢物語』、『枕草子』も買ったんだ。)なおキーン著『古典の楽しみ』が取り上げている版本は「岩波書店・日本古典文学大系」である。私の方のこの「新潮古典集成」は、原文に「対訳」をつけたというに近いもので、国民が古典に親しむぐらいしか念頭に置いていない。単語や文法の注は最低限しか行っていない。(必要だと思えば自分で古語辞典などを引くしかない。)こういう身軽な感じが、読み初めの今、私には好ましい。★ 近年、古文の版本や参考書が、ただ同然でブックオフに並ぶようになった。(なぜだろうね、大学の国文科が流行らなくなったのか。)この「新潮古典集成」だって、昭和52年当時なら『徒然草』の場合1500円もしたのだ。今はこういう本を読む楽しみは、最貧層の志の高い者がだれでも容易に行える。★ 以前だったら私も、こういう本に書き込みを加えたりするのを躊躇した。「誰かが私の後でこの本を利用するだろうから」と思って。今はそのような斟酌は無用だな。これは文字通り私の本だ。