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2016-08-11 10:40:00
いま8月8日に放送された天皇のお言葉が、話題にしている生前退位について、前回、その切り口となる法的・論理的問題についてのみ、ここで触れた。そしてこの生前退位の話題は、いやおうなく、いくつかの現実的話題に展開せざるをえないであろう。私はその前に、実際にあらゆる現実的話題に影を落としている問題点だが、象徴天皇制の大きな問題点・象徴天皇制継承という問題・について、意見具申しておきたい。★ 現皇室典範は、直系男子相続を、うたっている。★ しかし象徴天皇制の安定的継続を考えるなら、男女同権の相続制が望ましい。しいて直系男子相続にこだわるなら、徳川将軍家がそうであったような大奥制や、隠れた「妾」が必至になろう。大奥制など、国民の支持・理解がえられるものとおもうのか。★ 象徴天皇(今上天皇)みずから、象徴天皇の使命を果たすべく国民と一体に寄り添うよう努めたとある。日本国憲法下の国民生活の実情が私どもが等しく認めるように男女同権社会であるのだから、象徴天皇制の存続を国民と一体の「男女同権」の相続制に皇室典範を是正される方向に、国民の支持・理解が集まることは必至であろうと思う。よろしく皇室典範の男子相続制を男女同権相続に是正されたい。★ 政府自身、小泉純一郎首相当時、有識者会議で11か月の議論の末、「女性・女系天皇を容認し、皇位継承順位を性別に関係のない長子優先とする報告書を提出し」(2005年末)、国会へ上程すべく準備中であったその時(2006年2月)、「衆議院予算委員会に出席中の小泉首相に秋篠宮妃紀子様ご懐妊を知らせるメモが手渡され、」首相は結局「多くの国民が、穏やかな改正が望ましいと思う状況で改正したほうがいい」という考えで法案提出を断念したと。『北海道新聞』2016年8月9日号6ページ。★ 男子が生まれたから法案を断念したというのではない、「懐妊」の報だけで断念したのである。確かに2006年9月に秋篠宮家に男子が誕生した。それにしても、いまNHKでやっている「真田幸村」の、豊太閤豊臣秀吉晩年の男子出生の話題ではないが、ひとりの男子がうまれたかうまれないか、どう育つか育たないか、で豊臣家は右往左往することになるが、「直系男子長子相続制」というもののもろさ、ひ弱さを、いま国民は茶の間のテレビで日常見聞している。封建時代の時代精神そのままの「直系男子長子相続制」が象徴天皇制の継続に一大弱点となることが明らかだから、これを是正して男女同権利としようという小泉内閣時代の取り組みは、国民感情にも合ったものだったと思う。今の内閣だって、「女性活躍時代」とかいうキャッチフレーズを掲げていたが、あれはたんに選挙宣伝だったのか。★ 「お言葉」放送録音の際、「ビデオ収録は8月7日夕方、住まいの御所の一室で行われた。皇后さまは部屋まで付き添い、陛下にあいさつした後は退出するつもりだったが、陛下が『大事な事柄なのでこの場を共にするように』と声をかけ、皇后さまは少し離れたところから陛下の収録を見守ったという」『北海道新聞』2016年8月9日号、2ページ。うちの神さんなら当たり前のように亭主の横にいたろうなあ。もっとも**十年前、大日本帝国憲法下では、うちの父は母と並んで歩きたがらず、「離れてうしろからついてこい」とのたまうたよし。母がぼやいていた。しかし、今は昔であろう。