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2016-07-29 21:54:00
今日7月29日札幌ドームでの、日ハム対ソフトバンク第1戦は、有原投手が投げ、残念ながら6対4で日ハムの負けになった。しかし試合経過を子細に眺めると、日本ハムファイターズというプロ球団が、「トリックスター」という独特のキャラクターを身に着け、このキャラクターがほとんど完成の域にあることが分かる。この「トリックスター」という批評は野球の世界自体からくる「ことば」ではない。これは文芸批評からくる言葉を野球に援用したものなので、この言葉自体あまり知られていないのが当然。この点については後日別個に書く。内容からいうと、これは、「妖精としてふるまうエリート」ということだ。日本ハムの天下一品のキャラクターのことだ。その仕掛け人はむろん日ハムの栗山監督。栗山監督は往年の智将といわれた三原脩(みはらおさむ)監督に心酔し、多くの知恵を三原に学んだ。そしてようやく最近、いわばチームを「トリックスター」にしようという栗山構想にチームの大多数の選手と支え手たちが、理解し、共鳴するようになった。(まだ1-2名、ぜんぜん乗らない者がいる。)チーム全体が「トリックスター」であり、個々の目立った選手たちもトリックスターである。大谷はその最たるものだな。そして、田中、西川、中島、レアード、岡、市川、大野、杉谷、矢野らの面々。(昔は新庄とかびちょりとか、ハムの妖精は限定されていた。)さあこうなってくると日ハムの試合には不思議な魔術的、妖精的場面が頻発することになる。あれはたまたま起こるのではないよ。かなり計算ずくで誘発されているのだ。それを選手も観衆も楽しむ。わいわい楽しんでいるうちにいつの間にか日ハムが高い勝率を発揮している。今日の試合最大の傑作は、9回裏1塁にレアードがいたときに、ソフトバンクの投手サハテは1塁手がそこにいないベースの上に突然牽制球を投げた。しかし誰もいないところに投げたので、ランナーレアードは3塁まで走った。そこでサハテがカンカンに怒って塁審に抗議しているので、いったい何に怒っているのかと思ったら、サハテとしてはこれは「ボーク」でランナーは3塁へ行ってはならないと抗議しているのだ。塁審はこれを「牽制暴投」と判断し、サハテの抗議に従わなかった。(そもそも恥の上塗りになるような抗議をして何になるか。)試合は確かに日ハムの負けだが、内心満場大笑いのうちに今晩が暮れた。こうなってくる伏線がゲームの中にあった。「トリックスター」らしい幕引きである。明日も和やかに、楽しい試合をしようね。