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2016-07-11 15:52:00
参議院選挙の結果が出た。自民党大勝利。民進党がわが確保したのは、東京、京都、長野山梨、東北六県、北海道ぐらいのものか。歴史を1世紀半さかのぼらせた幕末・明治維新の戊辰戦争のころを思わせる。あのときも幕府側に残ったのが甲府と江戸、北越、東北諸藩、最後が北海道独立も懸けて戦いになった函館五稜郭戦争だった。これらの土地に自民ににわかになびきにくい心情があるのは、経済的にはTPPであろう。反グローバリズムですね。まえにここに書いたような気がするが、2013,2014、2015年とアベノミクス好調と見えたことの内実のほとんどは、安倍内閣になってからたとえば浜田氏の提唱する新日銀政策を採用して欧米に倣った「現金じゃぶじゃぶ」政策をとったためにマクロ的に欧米と足並みがそろって「いままでの日本経済の損」を消したためだ。(日本国内としてはそれが円安、株高という表れとなった)この「好転」は一回限りの現象である。もう二度とはおこらない。そしてそれとは裏腹に、いまや恐ろしい宿命を日本経済は欧米とともに負うことになった。この「現金じゃぶじゃぶ政策」という極端な政策は、2008年リーマンショックという前代未聞の性質の恐慌から急遽金融機関の崩壊を救うための非常の策を根幹としていたはずで、それから8年もたった今現在、先進諸国の経済がちっとも「力強い回復」をしておらず、したがってこの非常の金融政策からの出口さえまともに議論できないありさまであることを、深く慮っていなかったら、とんだ極楽とんぼであろう。(なにをどう考えても、日本だけで今後力強い経済回復を呼号するのは、無理ですよ。これからは「天が落ちてくるのを恐れる」ほうが現実味があります。)最近浜矩子さんは、恐ろしい題名の本を出版して、それがいま書店店頭に並んでいます。異次元緩和が金融恐慌の引き金になる、というんですが、私が内心恐れていた世界的危機を、やはり憂えていた識者がいたと知って、正常な精神がまだ健在であることを喜びたい。為政者は天下をとったように見える時が一番危険な時です。天下に敵なしとなった時に、平の清盛が、「衣の下の武具」をきらめかせば、時日をおかず没落の憂き目をみよう。藤原鎌足になってしずかに身を固めれば千年の権威が得られましょうに。警世の言葉ととられよ。