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2016年3月21日、月曜日、午後9時、札幌の天候、曇り、午後ときどき雪。ただし積もるほどではない。
マイナス金利の天気予報。今日は 立花 隆『滅びゆく国家 日本はどこへ向うのか』日経BP、2006年 を紹介しよう。これは10年前の小泉内閣時代に書かれた本だが、今日の安倍内閣時代が、まさにこの時代の後を継ぐものだということがよくわかる。この本にある問題意識は今日もすっかり有効である。詳しい紹介は次回に回して、ここでは本文各章のタイトルだけ書いておく。
第1章 ライブドアショック---会社とは何か
第2章 天皇論---女性天皇・女系天皇の行方
第3章 靖国論・憲法論---なぜ国立追悼施設はできないのか
第4章 小泉改革の真実---その政治手法と日本の行く末
第5章 ポスト小泉の未来---キングメーカーの野望
第6章 イラク問題---ブッシュ政権の欺瞞と日本の責任
第7章 メディア論---耐震偽装・NHK問題の本質
本書のもとになった材料は、2005年3月から、日経BP社のウエブページで連載がはじまった「立花 隆のメディア ソシオ-ポリティクス」だという。「これは一言でいえば゜、時々刻々のメディア報道をベースに書かれた日本社会論、日本政治論である」と。10ページ
「書き方としては、即物的な最新情報をいっぱいに詰め込んだページとして展開するのではなく、むしろ目の前の現実から一歩引いて、より広い視野からそれを捉え直したときに、何が見えてくるかを中心に書きたい」と、10ページで、著者はこのウエブページについて述べていた。
私は目を開かされた。これこそ私がこのようなブログを書くときに狙っていた境地そのものではないか。
そうすると、「株式会社論」では、あまりにも「目の前の現実から歩を引く」度合いがひどすぎるね。
まあ、よく考えさせていただく。
この本の第1章に、当時「ライブドア」社長ホリエモンこと堀江貴文氏が、ニッポン放送株を買い占めることによって、ニッポン放送が支配するフジテレビを手に入れようとした一件が述べてある。ここに「会社は誰のものか」というおなじみの議論が登場する。
「会社は株主のものである」と「会社は経営者、従業員その他会社関係者のものである」。ホリエモンはもちろん「会社は株主のものである」とする。しかしフジテレビ側は、フジテレビは経営者と従業員のものである(わざわざいままではなかった組合まで作って、組合のものでもある)等々と主張した。