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2016年2月11日水曜日、午後4時、札幌の天候続報。9日夜の20センチの積雪の始末を続けている。午後になったら太陽が出、気温はたいへん上がって、気持ちのよい一日であった。
さて、日銀マイナス金利の天気予報。円の為替が海外で上がっている。ニューヨークで113円台が出、シドニーで112円台が出たという。
ところで今日は何の祝日か。暦をみたら「建国記念の日」とある。昔でいう「紀元節」であろう。皇宗神武天皇が即位した日ではなかったろうか。神武天皇といえば実証的な日本歴史では存在が確かめられない人で、存在が確かめられうる天皇はたしか十何代めかの応仁天皇ぐらいではなかったか。してみれば神話上の初代天皇に敬意を表す記念日である。確か昔はこの式のある日は紅白の餅など配った。
前便で、伊東光晴氏の名を出した。この人は、アベノミクスのいう「金融緩和」が「景気を持ち上げる」という因果関係をすっかり否定している人である。そもそも現今のような時期に「金融緩和」したというだけで景気がよくなるわけではないと。企業は金余りで、企業に資金が足りないのではなくて、確実な儲け口がみつからない以上うかうかと投資はしないと。たしかにこれは現実的でたいへんに分かりやすい理屈である。
しかしとにかく円が下がり、輸出しやすいというので輸出企業が活気付き、企業活動が活発になるだろうという目論見が社会に充満すれば日本の株価がうなぎのぼりに上昇するだろうと。そんなにうまくゆくものかどうか、それが「金融緩和」でやすやすと得られるものかどうか、単純に首肯できる仮説とは思えないが、なにがなんだかしらないがとにかく円が思い切って安くなり、日本の株価が勢いよく上がってゆく姿をみれば、「ああ、これがアベノミクスだ」と皆々うなづく。
しかし何が何だか分からないうちに円が高くなってゆき、日本の株価も値段を消してゆくときには、もともと論理があいまいだっただけに、アベノミクスの信頼が急速に失われてゆくのは当然であろう。もしアベノミクスと為替および株価がもともと無関係だったということになつてしまうと、日銀マイナス金利のような得体の知れないことをしている弊害だけが目立つことになる。
恐ろしい話は、国民のだれが考えたってまだまだ続くぞ。いま中国の経済が、特に金融経済が、崩壊するのではないかという危機にあるというが、もし人民元が崩壊してしまうと、人民元は恐ろしい安値になってしまうだろうし、それにつられて新興国の多くの通貨がどんどん切り下がってしまう。そのときにわが「円」はどうなるかね。たいへんな円高にならないかね。
しばらくまえのフィナンシャル・タイムズはちょつとおかしかった。中国市場をうまく売り込もうという大勢の中で、日本市場を売り込むかの構えをみせた。中国株は売ろうとするとなかなか売りにくい要因がある。中国株の持ち手が限られすぎている。大きな売り相場を仕掛ける広さを得にくい。日本のことだけ考えていてはだめだ。
このような危機のときこそ、大づかみに物事を掴む識見が必要だと思うよ。それを誰に期待すればいいのか。