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待望の『中央公論』2026年11月号が到着した。「国語こそ最強の教養」を特集としている。この「最強」という点であるが、私は「AIに対抗する人類の教養」として「最強」という意味かと思っていた。まあ、それでも、まったく違うというわけではないが、むしろ、理系の記号論理の発展の最先端にAIがあらわれているということを考えれば、文系の教養である国語の中に、人類最強の教養を見ようということになるかもしれない。ただ、世界観的・人類史的観点から言うと、「国語」と言ってしまうところに「保留」を付けたい。
人類史は、言語の使用については、まず「無文字的言語使用の時代」が長々と続き、それから「文字を使用する言語使用の時代」に入った。世界史でいわゆる「四大文明」の頃・「農耕の始まりと、定住の始まり」・「文字社会の始まり・文字による物語の歴史が始まる」・「国家の成立」がある。そしてこの四大文明の「農耕・定住」というのは、「文字社会・物語作り社会の始まり・国家の成立」に強く律されてでないと、ありえなかったと、考えられるのだ。このような知見はすでに多くの専門家に知られているが、こういう把握が文明史把握のノウハウにまだ十分には生かされていないようである。(このような歴史的識見は、世界人類の先史時代の先住民族研究に、もっと生かされていてよいのだ。)/
私が言いたいのは、「国語」を話題にすれば、その話題は、端的には「文字社会の言語」を中心的話題にしているという強い自覚が必要だということである。人類の非文字社会に根差す「文化」が、国語に濃厚に反映している側面があるが、この点をくみ取れる配慮が必要だと申し上げる。
いま私が、このネット上でたまたま展開中なのが、『世界遺産とは何か?』というコメントである。その世界遺産の中に、最近「北海道・北東北の縄文期遺跡群」が世界遺産に登録されたという話題も登場する。19遺跡が指定されているが、それらは縄文時代1万5000年間といわれるなかの、さすがに古いものでもその半分の年数だが、それでも紀元前3000年前以来とか2000年前以来とかいうのはたくさんある。
何を私は言いたいかと言うと、たとえばヨーロッパを話題にして、メソポタミア・シュメール文化などという最古の文化は、紀元前3000年程度とみられており、その後ヨーロッパ・地中海でギリシャ・ローマ文化が栄えるのは紀元前後であろう。このメソポタミア文字社会が成立し3000年の盛衰を繰り返した同じ時期に、「北海道・北東北縄文遺跡」にみられる「無文字社会」が、農耕ではない形で定住化して、国家を形成することなく、永い長い期間存続していたという人類史上特別の地理的・歴史的状況にあった、そしてそのことを物的に例証する多数の遺跡をいま残しているというわけだ。(人骨もある。)人類史が農耕から始まるというのは、単純な思い込みで、事実は「人類普遍の定説」よりいささか複雑な地理的・歴史的事情を伴うとことがもっと人類に理解されてよい。そしてこのようなわが縄文時代研究から得られる知見は、きっと世界の先住民族を研究する手がかりになろう。さしあたり、北米と南米の、マヤ文明とかインカ文明とか、それ以前にありえた多くの先住民社会の研究に役立つような気がする。(そもそも米大陸に現世人類が入った経路は、3万年前ぐらいに、シベリア大陸を経由して入ったとされており、わが北日本に3万5千年--3万年前ぐらいに、シベリアから入ったとされる流れと、交錯している。当時この北辺は陸地がかなりつながっていたのである。)以上を要するに、「無文字社会」の文化(伝統)というものを、現在の人類は評価する必要がある。(まあ、さしあたり、AIさんはこの文化に入るのが不可能か、あるいは極度に困難であろうが。)
次回、コメントを書く時には、最初は、岡野原大輔さん「AI時代だからこそ身につけたい『軸』」という素晴らしい記事を、取り上げることにしたい。
これから当分、こういう毎日が続くのかもしれない。時代が大きくうねりながら、推移しているが、そのうねりを、がつと捉え、人類社会が動いている主体性を示せればいいようなものだが、それがそういうわけにもゆかぬ。/
10/21 今朝の朝日新聞で、目についた記事だけ挙げてみよう。
10/21 朝日新聞デジタル 配信 「日銀総裁に『国債買い入れ』求めた高市首相 アベノミクス回帰の思惑」。/ 高市氏の今の全政治姿勢が、日本昔のおとぎ話に譬えると、「泥の船にのったたぬきさん」だというわけだ。これが現実の今の世の中だとはね。
10/21 朝日新聞デジタル 配信 「(アメリカ中間選挙2026)民主奪還なら...AIブーム反転? 米DC規制に市場注視、日本株も影響」」/ 民主党が勝とうが、共和党が勝とうが、目先の経済情勢に大混乱と大変動がおこることは避けられない、ようだね。これが現実の今の世の中だとはね。
10/21 朝日新聞デジタル 配信 「AIの富『社会に還元』 アンソロビック、失業者支援
マスク氏『全米の子に1株贈る』」/ もうAI時代の社会政策というと、こういう具合の漫画チックなありようしかないのかしらね。テック企業のお恵みで人類が生存するしかなくなるのかしら。マスク氏の持ち株の1%で、全米の子らに各1株贈れるのだそうだ。ただ、この株の贈与はトランプ氏の作った全米大衆向け「投資口座」に加入させるのだそうで、11月の全米選挙をちゃんとにらんでいるんだそうだ。これもていのいい選挙民買収か。これが現実の今の世の中だとはね。
10/21 朝日新聞デジタル 配信 「仏暴動、追い込まれる政権 内相が辞表、検閲デモ禁止令も」/ このフランス各地で起こったという都市の大衆暴動、西欧のいくつかの国でも同様の様相があるというし、どうも謎だね。トランプ氏はフランスが移民問題への対処が悪いからだと批評している由。日本でももっぱらこのトランプ見解を支持する言論しかネットにはない。これが現実の今の世の中だとはね。
世界遺産への取組・第1回
北海学園大学人文学部世界遺産研究班編『世界遺産とは何か?』2020年、同班印刷・刊行、に寄せて、10回程度のコメントとして、掲載します。
この本は、次のように構成されています。
第1章 世界遺産はどのように選ばれるのか。
第2章 縄文遺跡跡を世界遺産にー登録の光と影ー
第3章 世界遺産登録に伴うストーリーの創出と問題点ー「長崎・天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の事例からー
第4章 世界遺産のメタヒストリーー「アイスレーベンとヴィッテンベルクのルターの記念建造物群」ー
第5章 「プランタン=モレトウスの家屋・工房・博物館とその関連施設」から見える世界
第6章 多文化主義社会における「顕著な普遍的価値」ーカナダの世界文化遺産が抱える困難ー
第7章 先住民遺跡観光の現状と課題ーカナダの世界文化遺産が抱える困難ー
第8章 無形文化遺産ー文化を理解し保護する新たな取り組みー
第9章 日本の世界遺産を伝える英語語彙・定型表現ー英語の学びの視点からー
おわりに
執筆者はほとんど、北海学園大学人文学部の先生方です。
ユネスコの世界遺産は、加盟国が自国のしかるべき文化遺産を推薦し、ユネスコのしかるべき審査を経て、世界遺産に認定されるわけです。ユネスコは「人類普遍の価値を有する文化遺産」として認定するわけですが、この認定のありようは本書で詳しく述べられているし、その仕組みを一通り知るためには、日本に他に適当な手に入りやすい文献がないわけではありませんから、コメントは割愛しましょう。
今回はコメントの第1回として、「はじめに」と、「第1章」・「おわりに」を取り上げます。
「はじめに」と、「第1章」・「おわりに」は、論理的には同じ内容のことを、別の筆者がそれぞれの書き方で書いています。内容が重なったことで、論点が強調されたわけだから、それでいいと思いますよ。
「はじめに」では、本書『世界遺産とは何か?』を読む人は、次の三点を常に念頭においてください、としています。
(1) 世界遺産がもつものとされている「顕著な普遍的価値」とはどういう内容のことなのか。
(2) 世界遺産は誰のためのものなのか。
(3) 世界遺産とは観光資源なのか。
この(1)と(2)には、ユネスコ公認の模範解答らしいものがあるわけですね。ところが、(3)の観光資源という「属性」は、ユネスコ当初の模範解答には存在せず、「そういうことを考えるのは、避けがたく、かつ重要だ」とはなるが、なにか吹っ切れが悪いわけです。しかし、文化遺産を提案する各国は、現実には、観光立国のためと、自国の国威発揚のために、この観光資源という「世界遺産の属性」を、強く念頭に置くわけですね。
「第1章」は次のように展開されます。
1. 世界遺産とは何か。
2. 世界遺産活動の基本となるユネスコの平和理念。
3. 世界遺産登録までの長い道のり。
4. 世界遺産の登録を決めるのは誰か。
5. なぜ世界遺産登録を目指すのか。
6. 世界遺産を守るのは誰か。
1から5までの展開は、模範解答的ですね。
筆者がほんとうに言いたいのは、6の論点でしょう。ここでは模範解答も薄弱だ。しかしこの論点がなければ、世界遺産の保護・存続はとうてい図れないではないか。
世界遺産を観光資源として、国も、その遺跡の存在する地方も、保護・存続に努力するでしょう。しかしそれじゃ尻つぼみで、まもなく人が顧みなくなる。大事なのは、この文化遺産を守り、生かす、いろいろの視点を、国も、地方も、意識的に展開することではないでしょうか。この際注意することは、その文化遺産の性質・意義について、実のところではユネスコ公認の普遍的価値とは似て、異なる、数多くの視野がありうることです。それをあえて発掘する努力を意識的にやりなさいと、筆者は薦めているのです。
いま北海道地区では、「北日本」の、「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界遺産に登録されました。この北日本の文化遺産のどういう点が、世界の人類が注目し、観察すべき点なのか、どの時代の世界とかかわるのか、世界のとくにどの地域とどうかかわるのか、これをたいへん具体的な言葉にして、世界の人々に知らせるがよい。大概の人類には寝耳に水の物語なので、「究明」するためにこの北日本の世界文化遺産に関心を寄せるでしょう。そして、その場合、このユニークな「わが縄文文化」は、実は日本列島全体にかかわるのだということを積極的に述べることが、肝要です。
この点、北海道の住民としては、いささか忸怩たる点があることは確かですよ。じつに日本の多くの考古学者すら、「古日本島」(津軽海峡の南側をいいます)中心に考古学を語って、平気でいるのですから、「北日本」という切り方は、日本人の多くにとってすら普段はなじまなかった発想です。もうひとつの「国のまほろば」が北日本に、縄文期1万数千年を念頭に置けば存在したのが現実の歴史だと知っていただくことは、世界遺産の議論の場合には北海道に住むわれわれは、すこし自重しましょうね。うちわもめしていてもしかたがないではありませんか。
大事なことを言い忘れるところだった。
私たち北海道の住民と言う者それ自身が、せいぜいがこの200年ほどの期間に「古日本島」(つまり、いわゆる内地ですよ)から移住してきた者、あるいはその子孫です。それ以前はアイヌ民族が主要な住人だった。わたし自身が60数年前にご当地にやってきた人間です(いまや、家族ぐるみどさんこになり終えた)。私が当地にやってきたとき、私の付き合っていた人々は、いま私が発信しているこの土地を、月寒(つきさっぷ)とちゃんとアイヌ時代の呼び名で呼んでいた。ところが、いまや、「つきさっぷ」と自分の住む場所を呼ぶ人が絶えていない。共に住むアイヌ民族の方々には、たいへんに失敬なことだと、改めて反省します。世界遺産登録の機会に、ひとこと、お詫びしたい。
私は先に、AIと人知のせめぎあいという課題に、『中央公論2026年11月号』が参考にならないか、と書いた。この『中央公論11月号』が「国語と言う最強の教養」を特集するとしていたからである。「AIに対抗するには最強の教養」という趣旨らしい。/ところで私は、この雑誌を入手すべく、近所にたくさんあるコンビニを訪ねたが、どこも中央公論は扱っていない。(一応雑誌コーナーはあるんですよ。しかし)それでわざわざ当市の中央まで出て、「丸善・ジュンク堂」を訪ねた。そして「明日・月曜日でないと入荷しない予定」と聞き、「それじゃ近くにあるイオンの書籍コーナー」で、来週買おうと思った。さっき「イオン白石店」の「書籍コーナー」へ行ったら、どこにもない。/それで仕方がない、アマゾンから取ろうと決して、さっき注文した。5日後に配達されるらしい。(なお、私は、アマゾンか楽天からでも買えば、簡単に手に入ると知っていても、新刊書や新刊雑誌を買うときには、あえて同じ町内にあるコンビニか書店から買おうと考えている。そうしないと、みすみす数少ない「新刊販売所」が消えてゆくじゃないの。いまや新刊を買えるのは、白石区のイオン店、書籍コーナーと、コンビニ、ぐらいのものだ。実は、今や文房具すらまともなものをまともに売っている店は非常に少なくなった。これで札幌市だというのだから。なにが政令指定都市だ。なにが副都候補だ。)ついつまらぬことを口走ったが、実は別のことをいうためにわざわざ、急いで、これを書いている。
私はたまたま、『世界遺産とは何か?』(北海学園大学人文学部世界遺産研究会編。同研究会自体が刊行している。)2020年9月30日発行。豊平区旭町4丁目1-40 北海学園大学人文学部 電話011-841-1161 に問い合わせるがよい。を入手した。東豊線学園前駅で降りれば、すぐこの大学がある。入るとすぐに大学図書館があるから、そこで聞いてもよかろう。/
これはユネスコの世界遺産とはどういうもので、これを選び、保護するはどういう意味・意義なのかということを、丁寧に説いている。こういう形で、人類の文化と人類の尊厳を守ろうとしている世界的企画で、ここに説かれている精神こそ、私のいう「AIと人知のせめぎあい」というつかみ方よりよほど本来で、これこそ学ぶにたるありようだと思った。/少々長くなるので、改めて丁寧にご説明しよう。/
ナニ「AIと人知のせめぎあい」は、切り口はもっともっとありそうだと感じた。いずれご紹介しますよ。別にそう慌てるには及ばない。
さきの『世界遺産とは何か』は、「第2章 縄文遺跡群を世界遺産に」としている。この2020年時点では、日本政府は「北日本の縄文遺跡群」をユネスコ世界遺産に推薦することが決まっていたが、まだユネスコ認定にはなっていなかった。すでにユネスコは認定しているので、この『世界遺産とは何か』はあるいは新版がでているかもしれない。しかし言っていることの基本は、変わるまい。/考古学上の著書がこの北日本縄文遺跡群を論じるときと、このように世界遺産保護の観点から北日本縄文遺跡群を扱うときでは、扱い方に違いが出て来るような気がする。そして、この世界遺産保護の観点は、私にはたいへん貴重に思える。いずれ私の今後の議論でも、日本太古の文化を取り上げて、AIさんにぶつけるときがやってくるが、そのとき、この世界遺産保護の観点を大事に保持しようと思う。まあこの第2章を扱っているのが、人類学者だということはあるが。閑話休題。
10/13 16:38 rkb 毎日放送 配信 「待ったなし! 相次ぐ災害と『防災庁』に求められる真の司令塔機能」/ 今度日本政府に設立された防災庁の、予期されている機能を説き、なぜこの防災庁が緊急に必要とされることになったかを、説明している。この記事は、もともと、10月9日放送のrkbラジオ「立川生志 金サイト」で報道されたもので、元サンデー毎日編集長の潟永秀一郎さんが行った解説に由来する由。/
この記事は、防災庁構想は、いま国際的に見まわすと、米国とイタリアの防災体制が学ぶにたるものとして存在するが、どういう点が学ぶに足るかを詳細に説明している。/
日本の官庁体制の従来は至らなかった点をカバーしているので、どういう点で従来の「常識」を超える問題なのか、日本国民たるもの、よく吟味していいのではないか。とりわけ日本全国の行政官僚には、緊急必見だと思いますよ。
本文プリントしたら、A4で10枚になった。
10/14 18:46 日本海テレビ 配信 「来年から発足される防災庁、現場を指揮する細野豪志防災担当相を直接取材 どんな組織でどんな取り組みをするのか、山陰地方ができる役割は?鳥取県・島根県」。/ 担当相談話だから、いい参考になるだろう。一読をお勧めする。コメントがまだないようだ。// 私ひとつ、提案したい。この記事中に、「事前防災という課題が含まれる。直近の課題では、避難所の改善、避難所の体制構築」とある。近年、地方で増加中の民泊だが、その民泊にたいして、ちょうどよい「地域への還元」策として、地方で「民泊認可時に」、地方の防災局体制に強制登録して、緊急時には、緊急避難所の一翼を担うように法設計したらどうか。災害時に、とくに地元に住民登録のない避難者を救済するのに、活用したらどうか。//
六大政令都市のように、普段でも外国人旅行者がたいへんに多い地域と言うものが、日本にはある。いざ、大きな、予期しない天変地異が起こった場合、大都市では大量の旅行中の外国人が、とっさの避難や緊急滞在や、救援の求め方やが得難く、大いに慌てる。/知る人ぞ知る、実は、大使館や領事館が存在している「大都会の一部」は、ふだんその国の、あるいはその地域の、外国人向き民泊が、いつのまにか、なんとなく、群がって存在しているのである。/天変地異が起こってみると、そのことに気が付く。緊急救済情報を発するのは、じつは大使館や領事館だ。外国人旅行客が携帯で「問い合わせ」(その人の母国語で)るのにいち早く答えるのが、大使館・領事館の発信・配信である。大使館や領事館は普段から、日本の地方自治体、日本政府政府の関係機関等の緊急情報をいざというときにキャッチする準備をしている。//
日本の自治体や政府機関が、事前に、これに対応した「防災局」「民宿関係」緊急支援体制を図っておけば、いざというときに、役に立ちますぞ。このルートから、素早く、外国人旅行者向けの情報体制をとっていれば、外国人滞在者に生じうる不慮の事態を、回避しやすいと思います。官庁の縄張り争いをしないで、新設「防災庁」「防災局」体制に任せるがよい。/実は北海道の胆振地震のさい、札幌市に起こった「外国人の混乱」に、非常に素早く取り組んだのが、(詳しいことは言わぬよ)特に韓国と中国だ。ともに札幌市情報にうまく誘導していた。うちは某領事館の隣に立地するので、それがよく分かった。