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2025-11-02 08:12:00
日米首脳会談も日中、日韓首脳会談も、アジアでの国際会議も、無事に終了し、トランプ氏は「アジアでのディール」はたいてい相手方が設えてくれたお膳立て通りに無事におわり、特に機嫌を損じもしないで予定より一日早く、ハロウィーン参加という家族行事のために帰国した。そして帰国後目立った政治的行動と言えば、米国がこれまで30数年間やっていなかった核実験を再開するという声明であったという。気になるということは一つだけあった。韓国が原子力駆動潜水艦を採用するので、その核燃料を米国が供給するようトランプ氏に話したという公の発表である。それに対して日本も中国も公の発表としてはべつにそう強烈な反応は示さない。それにしても高市首相はトランプ氏と「はしゃいで」会っているどの瞬間にか、米艦に向かうヘリコプターの中ででも軽口的に「私は原子力潜水艦と長距離ミサイルをもつつもりですからよろしく」と口走っているのではないかという懸念をする人がネット上にはいる。なに、自民・維新間の提携協議書には「日本が原子力潜水艦と長距離ミサイルを保有する」旨がちゃんと盛られているというので、「火のないところに煙は立たぬ」。昨日小泉新防衛相が新聞に至急警告したことは、ただいま鹿児島沖に長距離ミサイルを搭載していると思しき中国駆逐艦が遊弋しているという。中国はこういう意思表示をしているのであろう。ここに生じる疑いは、日韓中とも、それぞれの国民に対して公には、今回のトランプ接近を機として、日中韓の間に格段にレベルアップした相互戦闘ムードが高まったということを、いっさいほのめかさないが、しかし内実は緊張の高まりをまともに高めているというのではないか。こういう国際体制を秘密外交時代とでもいうのか。要するに公の国民的議論は一切なしに、諸国が実際に国際的に好戦的体制を強めているという危険なありようである。以上が「平和ボケ」という「幻」に終わってくれればよいと切に望む。
2025-11-01 13:45:00
10/31 北海道新聞6頁に載った 立命館大学教授 佐野愛子先生の「日本手話による学習権」という記事は、私がこのSNSで繰り返して訴えていた「日本手話の学習権について専門家は態度を明瞭にされよ」という趣旨の問いかけに、見事に、論理的に、答えておられる。詳しくは同記事の参照を求めるが、この記事に示されたご所見は、先ごろ札幌高裁で示された「北海道立札幌聾学校で日本手話の授業を受けられなかったとして、先天性のろうの小中学生が北海道を訴えた事案」について、明快に原告の学習権を擁護する説明をなさっている。ご説明は論理的に明晰なので、専門家諸氏はこのご説明に提示されている論点に、それぞれ明快に・特に論理的に明快に・対応する意見をお述べいただけないだろうか。/ただひとつ追加して申し上げたいのは、同様の案件なら現在のアメリカ合衆国ならどう判定されるか、日本国民の参考のためにぜひご関説いただきたい。例のジョン・グラハム・ベル氏の「事績」にまつわる、歴史的経過ですよ。いうなれば、「アフター・グラハム・ベル」で、今はどういうことになっているのか、ですよ。私、これを知ったのは、半世紀前だった。
2025-11-01 09:17:00
前回(16)で述べられていた「直系家族型」という日本人の国民国家的背景に由来するところの、日本人である我々に「平等感覚が乏しい」という事情を、もっと例を挙げて書いておきたい。読んでくだされは、「ははあ、なるほど」とよくわかってくださるだろう。/私は、海外に行ったとき、同胞の日本人に会って、嫌な思いをすることが多い。懐かしく、信頼できるのに?日本語が通じるのに?・これって素晴らしいじゃないか。それはそうなのだが。お会いした相手がすぐに私に対して始めることがある。「私の身分・地位を確かめることである」(たいていの場合、自分の方はあいまいにしたままで)/「この心」はありありとわかる。「相手の身分・地位を確かめ、自分の身分・地位と引き比べて、『どちらが上位の人間か』まず確かめておかないと、そのあとのやりとりを虚心坦懐にできないからである」。/いつもどちらが上でどちらが下かを確信していないと、交際できない。初対面の同胞と会ったときにこの「習癖」が極端に前面に出るという次第だ。「上か下かわからない相手」にはおっかなびっくりになるのだ。他の民族はこれほど人見知りしないよ。これが国際的になると、相手が気が付いた時、相手の不信を招く。こう言ういきさつに、日本人の多くがナイーブなのである。
2025-10-30 05:31:00
10/29 ロイター配信 「イスラエル、ガザ停戦協定の履行再開と表明 空爆で104人死亡」。ツイートが338通ついていた。/停戦協定が結ばれたが、何者かにイスラエル兵士1人が殺害されたのと、ハマス返還による死亡した人質中の1人が別人だったのとを咎めて、イスラエルはガザを空爆し、104人を死亡させたという。/米国大統領がガザ停戦を実現させたと胸を張りたいのなら、こういう猛々しいガザ空爆など一切させないようにイスラエルをもっと強く制御すべきだろう。//高市首相は今度の首脳会談で、トランプ氏がノーベル平和賞候補になるよう支援するという「リップサービス」をしたが、首相はもっと国際関係の実態を考えるほうがよい。「少しはしゃぎすぎ」の評がネット上にあるが、やんぬるかだね。
2025-10-29 05:17:00
『トッド人類史入門』第2章「ウクライナ戦争と西洋の没落」から、第3の話題として「日米関係」をみてみよう。/家族型からみた国民性は、日本は直系家族型のため、日本は「兄弟を不平等に扱う」文化なので、「子供たちは不平等である、人々は不平等である、諸国民は不平等である」と「自然に」考えやすい。/日本が第2次大戦で負けた時、戦後日本は、自国で伝統的だった家族型を、理念上は「封建的」と否定して、米国型「核家族」を「理想の家族モデル」のように祭り上げた。/しかし三世代同居が消えたとしても、もともとの直系家族に由来する国民的価値観は、簡単に消えるものではない。/そのことが日本人の国際感覚に濃厚な影を落としている。日本人は何事も「上下、兄弟」という関係で考えたがる。それゆえ、「日本の独立」ということは盛んに口にするが、「諸国が平等である」という気分には一向にならない。だから「アジア共栄圏」という「理念」を思っても、自然にその中で「とこが兄でどこが弟か」と発想してしまうので、この点がアジアの他の国からみてすぐみてとれるから共感してくれない。たとえばその点で、ロシアのような権威主義的な国でも、国際関係については「諸国は平等」と発想するから、奇妙なことに権威主義的な国々(父系主義的権威主義の「共同体家族型」の国々がそうであるが)のほうが国際関係では信用されることになる。非西欧ブリックス諸国が奇妙に(国益は相当に違うのに)お互い国際協調し、仮に日本が彼らと国際関係を結ぼうとしてもなかなか簡単にゆかない奇妙さもこの辺に遠因があろう。こういうかなりわかりやすい事でも、日本人の大多数は普段気が付かない。/米国の核家族型を理想のように思っても、現実の日本の家族型が簡単に変化するものではないから、この違和感は常に残る。核家族型に由来した「個人主義」の、米国流の徹底した姿(超個人主義)で、超富豪が我が物顔に行動する米国の政治・経済は、日本人には結局なじみにくいのである。/日本を目下の同盟者とする日米関係は、「目下視」されるのにはあるいは我慢できても、日本の本来的国益を譲ろうとはさらさら思わない(米国からの力による強制に屈する場合以外は)というのが、当然自然のことと日本人は思うのである。/* 目を韓国に移してみるといい。この国は日本と同じ、「直系家族型」の国である。日本の隣国だから緊密な国際関係があっていいはずだが、現実にはまるで薄氷を踏むような外交関係にある。韓国もまた日本同様、あるいはそれ以上に、「どちらが兄でどちらが弟か」という建前に厳しい国である。それに、日韓併合という屈辱の歴史の記憶もある。日本側がよほど気を付けた国交をしなければ、韓国民こぞっての対日心理は解けない。安部内閣の外交なぞは、日本人からみてすら傍若無人におもえたほどだから、今後ともよほど神経をくばらねば常時隣国を敵とすることになりかねない。ともに仲良く米国の保護国なのにね。(ただ米国との善隣関係でどちらが兄でどちらが弟かと争うことはないと思う。よほど注意しないと簡単にそうしてしまうので。日本古代史の史書に、中国の皇帝の前で、どちらが上席であるべきか争ったという記事が、憤懣の辞とともに残っている。曰く、「百済は礼を知らぬ」。どちらも儒教国だものね。