インフォメーション

2025-11-01 09:17:00
前回(16)で述べられていた「直系家族型」という日本人の国民国家的背景に由来するところの、日本人である我々に「平等感覚が乏しい」という事情を、もっと例を挙げて書いておきたい。読んでくだされは、「ははあ、なるほど」とよくわかってくださるだろう。/私は、海外に行ったとき、同胞の日本人に会って、嫌な思いをすることが多い。懐かしく、信頼できるのに?日本語が通じるのに?・これって素晴らしいじゃないか。それはそうなのだが。お会いした相手がすぐに私に対して始めることがある。「私の身分・地位を確かめることである」(たいていの場合、自分の方はあいまいにしたままで)/「この心」はありありとわかる。「相手の身分・地位を確かめ、自分の身分・地位と引き比べて、『どちらが上位の人間か』まず確かめておかないと、そのあとのやりとりを虚心坦懐にできないからである」。/いつもどちらが上でどちらが下かを確信していないと、交際できない。初対面の同胞と会ったときにこの「習癖」が極端に前面に出るという次第だ。「上か下かわからない相手」にはおっかなびっくりになるのだ。他の民族はこれほど人見知りしないよ。これが国際的になると、相手が気が付いた時、相手の不信を招く。こう言ういきさつに、日本人の多くがナイーブなのである。
1