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2016-11-12 13:54:00
安倍氏とトランプ氏が近日中に会うという。たしかにトランプ旋風は、日ロ交渉には奇貨となる面があろう。★それにしても最近ТТPを無理やり衆議院を通過させたのは、とんでもないことだった。トランプ氏はこれまでのような貿易協定を嫌いぬいている。ТТPなどにトランプ氏が好感をもつはずがないと知っていながら、なぜ無理やり衆議院を通したか。どうせ「ТТPが米国の国益を損なうはずがないもので、これを活用するほうがお国のトクだ」というようなことを建言するつもりだろうが、すっかり藪蛇ではなかろうか。★トランプ氏にとっては日本や英国はちょうどよいカモである。お得意の直接交渉でトランプ氏のペースに乗せようとしているだけのことだ。この海千山千の「ネゴシエーター(交渉の当事者)」に個人でぶつかるには、安倍氏はいかにもやわである。よろしく妥当な補佐者を伴うがよかろう。そしてなるべく個人取引を回避するがよかろう。★それにしてもТТPはまずかった。「もしТТPをやるんなら、日本は、これと、これと、これを、必ず飲め」というような駆け引きに終わるだけであろう。とんでもない話を口約束させられるだけではなかろうか。★ТТPは日本国民にとってあまりにも重要な案件なので、討議に手間がかかり、いまにわかに云々する状態ではないとしておけばすむことだったのに。★安保条約もそうだ。向こうさんは日本に背負わせたい案件を山ほど用意しており、直接会談で安倍氏に何とか口約束させたいのだろう。★あわてて直接会うほどのことではないと思うんだがね。緊急の件は電話だけで済むだろうし、電話だけならトランプ氏もあまりに突然の話は持ち出しづらいだろう。★今回はご勝利への祝辞だけで、日米詳細の協定は双方の専門家がそろったところで詰めたい、としゃあしゃあと述べたらよかろう。相手はまだ大統領宣誓もしていないのだ。
2016-11-12 13:27:00
トランプ氏がアメリカ大統領選に勝利した。★大統領選の投票の数え方次第で、まだ帰趨はわからない面がある。現に以前の大統領選で、ブッシュ対ゴアの決戦はフロリダ州の投票をめぐって後日までもつれ込んだ(結局投票を数えなおしてもブッシュ氏に数百票の勝が残った。クリントン女史はもともと弁護士であり、なにかネタがあれば徹底して粘るに相違ない。)★トランプ氏が大統領宣誓をするまでは、まだ候補者である。この移行期間は2か月ほど続く。★トランプ陣営はこの移行期間の広報のために、Greatagain.gov というホームページを設けた。このホームページは活字が大きくて読みやすい。トランプ氏の大まかな政見を理解するのに便利である。またそれと隣り合って、Examiner/comというホームページが立ててあるが、このWashington Examiner誌のホームページには、この移行期間中に起こっている事柄の動画などがたくさん載っている。これはトランプ氏の「機関誌」なのか。★ラジオというメディアが現れたときに、チャーチルやルーズベルトやヒットラーは、それを大衆との対話に積極的に用いた。いまネット上の「動画」がこの「大衆政治家」に積極的に利用されようとしている。ここに出ている英文は(活字が大きいうえに)極めて読みやすい文章である。ところどころあいまいになるところは、もともとまだあいまいな内容だからなのだろう。話題によってはやけに詳しく書かれている。(こういう文は訳しにくい。賢明な読者諸氏が直接その英文を読まれるがよい。)
2016-11-11 21:43:00
今回のトランプ旋風は、まるで不確定要素の塊で、Aと見込んでいることが外れてBになるというような有様を、当分続ける感じがある。とくにトランプ体制が正式に発足するまでの今後2か月は、なにがどうなるのかまだ予断を許すまい。★全般的トランプ評は、いったん脇に置いて、事柄を現在進行中の日ロ外交交渉に限って考えれば、トランプ氏の登場はいくつかの点で日ロ国交回復を成功させる方に働くのではないかと、私は思う。★仮に2島返還+アルファというような決着が現れたとして、この返還された2島を日米安保条約の縛りの中に含めるかどうかだが、この2島に米軍基地ができるような話をロシアが認めるはずがない。だから「日米安保適用除外」とする必要が出てくるが、トランプ氏であれば案外簡単に日本の意見を飲むのではあるまいか。★ロシアは、トランプ氏との関係をにらみながら、シリアやウクライナに「ロシア的政策」を前進させる可能性が生まれるかもしれないが、そういう政策を進展させる予算や資金の裏付けがすぐはない。ロシアは、「極東ロシアの一部分をたとえ担保にしてまでも、いま緊急資金を必要としているのではないか。」★いろいろ難しい面があるとはしても、日本とロシアが国交回復の交渉を成功させるために、これほど接近しているときはめったにない。トランプ旋風は、まことに歴史的偶然で、日ロ関係を推進する不思議な働きをするのではなかろうか。★以上は、私の、「希望的観測」である。なんの権威もない。★ただ、安倍内閣のさまざまの施策は、いまどれもこれも行きづまっている。どの政策もいままでのところは致命的なボロを出さないできた。しかし、それはいま限界ではないか。ただ、この日ロ国交交渉が成功することは、安倍氏でなければとうてい果たせなかったことでもあり、この交渉がしかるべき成果を上げることが、安倍内閣と自民党を一挙に救うのではないか。(その先の長い将来は知らないが)
2016-11-10 12:01:00
トランプ新大統領がどのような政策をとるかということだが、だいたいのイメージはこれまで公言してきたことではっきりしている。残る問題は、旧体制と妥協の可能性がないかということと、現実の問題に出会った場合、どの程度手直しするかということだけだろう。★シリア問題に関する放言や、日本や韓国の政治についての放言は、大いに氏の本音であろう。今後米国は「自国中心」に構えるから、シリアもウクライナも、ロシアにフリーハンドを与えてもよいと。(そもそも米国の長年の中東政策そのものが、とんだ失敗だったのではないか。イラク征伐でフセインを殺したが、あのときパウエル国務長官は言っていた。米国がいまフセインを殺しても、イラクにまたフセインのようなものが現れてイラクを安定させるまでイラクが治まらないというだけのことではないかと。)日本や韓国は、再軍備でも憲法改正でも核武装でもしたけりゃなんでもするがよい。日本と韓国が「よりあてになる国」になって、米国がこうあってくれということをして呉れれればよいだけのことだと。条約もへったくれも要らない。米国に余計な負担をかけないでくれればよいだけのことだと。★移民なぞ、もう認めなくてよい。各国自分の領内で自分の政治をしておればよい。貿易条約など無用のことである。米国の市場を欲する国にはそれだけの高い代価を払ってもらうだけのことだと。★思うに、従来の米国の国策では、もう前進できることが米国にはほとんどなくなっているという認識が、暗黙に米国社会にあるのだろう。であれば、従来決まりきった枠に入ってしまったことを一方的に取り外して「転機」を図るしかないが、その「転機」がいままでの体裁でできない。このへんにトランプ氏の効用があるのではないか。いろんなことを口走っているように見えながら、(それはそれ自体従来の常識から言えば大変なことかもしれないが)そこを外して考えると、それほど大した新奇なことも言っていない。★ただ、この人物は資産家なので、資産の運用については単純に他人の見解には従うまい。もしこの人物が従来のFRBの政策を疑問としたときには、どうなるか。従来の国債政策や低金利政策を問題にするとなるとどうなるか。この点はもう少し様子を見なければなるまい。
2016-11-10 10:20:00
2016年11月10日・木曜日。大統領選から一晩たったところで、ワシントンからのオバマ大統領からの演説を聞いた。選挙は終わったので、どちらの側も一つのアメリカ国民に成れと言っている。そして、新大統領への大統領職移行の手順について打ち合わせたいので、ホワイトハウスに来るようにと、トランプ候補に訴えていた。★良くとも悪くとも、トランプ氏の政見がオバマ大統領の政治とはずいぶん違うので、その点に大いに懸念がある。(冗談ではないが、従来の体制から見れば、新人を暗殺してしまうのが一番簡単な解決であろう。)シークレットサービスひとつをとっても、やがてトランプ氏の「安全」が国家的シークレット機構の手に移ってゆくが、そんなところに敵方の暗殺者でもいたら大変なことだ。しかもこのような職務の受け継ぎ過程は前もって米国のしかるべき法規で規定されているので、その法規を踏まねばならないのである。手順をトランプ氏が変える範囲は限られているだろう。★こういう全体制的おどろおどろしさは、まえにトム・クランシー『合衆国崩壊』新潮文庫、1997年で克明に描かれていた。Tom Clancy," Executive Orders",1996である。合衆国の議会がテロリストに襲われて壊滅し、大統領以下合衆国の政治的要人がほとんど死んでしまい、たまたま生き残った主人公・副大統領が徐々に秩序を回復してゆくというフィクションである。合衆国の無秩序につけこんで外国で多くの事件や陰謀が起こり、その解決がこの長いフィクションの内容となる。(まるで後に起こった9.11事件を予告するような小説だった。そしてこのトム・クランシーの小説では、テロリストというのが日航機という想定だったところに、日本人である私たちにはぬめぬめとした恐怖があった。これあってか否かは知らぬが、かの9.11の時に世界に先駆けて飛行停止を指令したのは日本航空であった。今回のトランプ旋風がどのような経過を辿るか予断を許さないが、日本がスケープゴートにされる危険が常に存在する。心がけよう危機管理。)