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2016-10-04 22:00:00
日ロ関係の21世紀(7) 仮に相当に大規模の日ロ経済協力合意が成ったと仮定した場合、(それは北海道が半世紀も待ち続けていた仮定だが)もちろん北海道のヴィジョンはガラッと変わる。みんな長い間考えてきたことなので、年取った道民はみな知っている。ただ、若い道民と本州の人々はにわかには察しまい。★ヴィジョンとして、北海道の港湾、河川、鉄道、道路についての「目」がまず違ってくる。そもそも小樽だの留萌だの稚内だのが、どうして今でもあの程度の構えを示していられるのか。戦前日本海の物流がそれだけ盛んだった。その中にソ連沿海州の占める地位は決して低くはない。石狩湾新港だのその後背地の広大な荷揚げ基地だのどうしてあんなものを作ったと思うか。シベリアとの物流を当て込んでいた。シベリア鉄道を北海道から走らせるなどとロシア人から提案されているが、ナニ、トンネルなど掘らなくとも稚内とサハリンはすぐつながる。戦前そうやって連絡船でサハリンと結んでいたのだ。あとサハリンとワニノを連絡船で結びさえすれば、北海道発の汽車は時日をあまりおかずシベリアを走っている。(これもJR北海道の所管にしてモスクワまで走らせますか。ただ、線路のゲージが違う。それとも北海道だけロシアゲージにしますか。)北海道は東西南北すべて海につながるという驚くべき地形です。日本海物流と太平洋物流を石狩港から苫小牧港へ向かう「ランドブリッジ」を設定して連結することができる。(こういうことを念頭に置いて苫小牧東部開発などをやったんでしたね。)今苫小牧から静内へ向かう鉄道を廃線にしようとかいう気違いがいるが、あんな素晴らしいところから鉄道を取り上げてどうするのか。こんな具合に延々と描き続けることができるが、道民よ、多少は想像力を持ってもらいたい。
2016-10-04 21:51:00
10月4日・火曜日 午後10時。 ヤフーお天気情報を見ると、台風18号は九州西方を北上中で、5日に対馬に向かい、朝鮮と北九州の間を日本海上東進し、5日夕方本州北陸のどこかの地点で上陸するとみられている。翌6日には日本列島を東に横断してはるかに東方海上に去るものと見られている。★どの地点で北陸に上陸するのだろうか。その場所が北へ寄れば寄るほど、北海道への思わぬ影響が出て来よう。
2016-10-04 13:05:00
日ロ関係の21世紀(6) 日ロ領土交渉と日ロ経済協力。こう主題が決まっていて、しかも現に両国首脳が交渉酣に入ろうとするというのに、その領土が所在する北海道、両国の協力が境を接するハズの北海道では、これほどきょとんとしていたという験しはなかったろうと思うのです。ソ連邦最後の大統領になったゴルバチョフが領土交渉で来日するのではないかとなったときなど、北海道の騒ぎようはたいへんなものだった。★今回領土は切り離して別件になっている。経済協力といってもなにやら非常に大味で、日ロ大企業同士という色合いが非常に濃い。北海道の草の根交流も中小企業の寄与も元島民の思いとかも、今回はすっかり棚上げされている。これでは北海道は「横でじっと待っていなさい、そのうち出番もあろうから」と言われているようなものです。そして実際にここまで(1)から(5)までに書いてきたような大局観なら、何事かが進展すれば北海道にもなにかきっと出番があるのでしょう。(皮肉ではなくて)★北海道の者はこれまで何十年間も、何度も何度も空手形をつかまされてきたのです。話が進展すれば北海道もこういう刺激を受けるという観測や計算には事欠かない。そりゃあがらりと変わるでしょう。しかし何度も騙されてきた。今度という今度は、現実をすっかり変えて見せてねという思いで、「知らんぷり」をしているのです。道民どうしではそれがよくわかる。★いま北海道で、中央の意見具申を受けているのは、大地の鈴木さんだけじゃないの。これが半世紀の領土返還運動なるものの幕切れだとしたら、北海道はかんかん踊りを踊っていただけでしょう。(いや、踊らされていたのか)。まあこのくらいにしておこう。
2016-10-04 10:35:00
日ロ関係の21世紀(5) いまこの地上で、つまり地球上で、しかるべき開発案件を考える場合、シベリア開発に匹敵する開発案件は乏しいだろう。★いま南北アメリカ、欧州、中近東とアフリカ、中央アジア、東南アジア、どこを見渡してもそもそも現実的な開発意欲すら見当たらない。他方で、新たな居住地を求める人口は世界中にあふれかえっている。★18-19-20世紀には、知っての通り、南北アメリカとオセアニアのオーストラリア・ニュージーランドが、西欧の膨大な余剰人口を受け入れる受け皿となった。この南北アメリカとオセアニアに匹敵する地政学がいまの地球に必要である。潜在的な資源が多く、人口密度が極めて薄いシベリアは、その適地ではないか。★しかしいまのロシアの政治・経済体制がそれを現実に果たしうる能力を備えてはいないことは、ロシア人自身が一番知っているだろう。日本の資本を参加させ、欧米の資本も呼び込み、アジアの資本も招待すれば、それがなるかもしれない。その最初のステップのところを、いま日ロだけで行っているわけだ。★たとえいま、どんな話が成り立っても、事柄全体の性質上いずれは世界の全体がかかわってくることになる。「成功しそうな話」であるほど、そういうことになる。(ただ、いまの地政学だと、中国の参画をなるべく後回しにしようという計算が日ロ双方に働くのは、いたし方あるまい。中国からすれば、乗りたくて仕方がない案件だが、日ロは中国を警戒するわけである。)
2016-10-04 09:56:00
日ロ関係の21世紀(4) それに、「ウクライナ問題」というが、大所高所から見ると、ウクライナ問題というのは、ロシア人の国民感情をすっかり逆なでしている。★そもそもロシア共和国には、もしすっかりウクライナを失えば、ヨーロッパ側には主要な海がなくなることになる。セバストホーリとクリミヤ半島、オデッサ。これはロシアの黒海への出口である。さらに「バクー油田」からヨーロッパ方面への原油の輸送路である。第2次大戦時、ヒットラードイツ軍の名のもとに、西欧のあらゆる民族の部隊が編成された「全欧軍」がこの辺の地域でソ連軍と血に血を洗う激戦を行った。そのとき「ウクライナ」はややもすればドイツ側としてふるまった。このような「血の思い出」は国民感情からなくなってはいない。★黒海を失えば、ロシアのヨーロッパ側の窓は、北海とペトログラード(ペテルスブルク)だけになってしまう。★ヨーロッパ側の出口がすっかり逼塞しているので、ロシアの発展を思うと、ロシアはアジア側に新境地を見出すしかない。これがプーチン大統領の呼号する「ロシアの東方の新都をシベリアに作る」構想となる。現在のシベリアはかつて以上に人口密度が薄くなっている。「シベリア開発」の理念とは裏腹に、自前の大型事業はそう進捗しているわけではない。欧米が協力してくれたのは、すぐにカネになりそうなエネルギー事業だけだった。★大所高所からロシアが日本に期待するところは大きい。しかしそれをどのようなルール、どのような枠組みで行えば、日本が決心して乗れるようなものとなるのかどうかだ。「日本企業のロシア企業への参与」はその答えだが、その詰めは容易に解が見いだせないかもしれない。そこで別件の領土問題で、「補助線」を引くことになるのではないか。