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2026-11-03 09:53:00

「国語こそ最強の教養」(中央公論2026年11月号特集)コメント第8回

この第8回は、(2) 現場から見た高校国語再編の意味と無意味 (矢野利祐氏) です。

 この要約では、あえて2018年学習指導要領の下での、高等学校国語科の科目編成の下での、現場高校教師の悩みについてとして、まとめます。

 高校国語の科目編成は、1年生の時に、必修で評論文・実用文を扱う「現代の国語」、古典から近代文学の作品を広く扱う「言語文化」の2科目であった。高校2,3年次には、「文学国語」、「論理国語」、「国語表現」、「古典探求」の4科目であった。現実には大学受験を見据えて、「論理国語」と「古典探求」が生徒の選択する多数を占める。実は1年次にも、「言語文化」といってもここで古典をやらないわけにはゆかないので、近現代の小説は割愛せざるをえなくなる。こうして「文学国語」軽視、「論理国語」重視という文科省の目論見が教育現場で実現されていた。

 担当国語教師としては、「文学国語」にもしかるべき位置を確保して生徒を育てたいと熱願するので、いわば現場教師の腕力でふるまうしかなかった場面も多かった。例えば、なんらかの口実で教科書の中に近現代の小説が何編か割り込ませてあれば、これを実用文の読み書きの訓練に使えないものでもない。そういうわけで、実際に「定番」教材が掲載されている第一学習社の「現代の国語」の採択率が高かったのである。これは窮余の一例。

 新しい国語科の学習指導要領については、私は触れないでおきます。

 

 ただ、ひとこと申し上げたい。ネット上で「実用文とは何か」として、引いてごらんなさい。(この問いにかぎり、幾種類かのネットに聞いたらよい。私はヤフーネットとマイクロソフトに聞いてみました。)豊富な参照記事が「AIまとめ」などとして、ゾロっと出てきます。ここに文科省と実業界の意図も透けて見える。(共通一次試験の出題目標として、歴然と提示されている実用文読み書きの、必須性) 人々が文章をネットに載せて、AIが合理的に翻訳する上にも、実用文の読み書きが近年の日本の社会的訓練対象にならざるをえないのです。

 それにしても、「実用文の欠点とは何か」という問いに対しても、AIはきちんと答えているので、実用文のよくある欠点をきちんとマークしておくことを、忘れずに、「実用文」教育目標の中に入れるこどですね。

 そして、実用文の盛んな米国社会には、同時に、 低学年から高学年まで、徹底した討論教育(ディベート教育)があることを、もし日本の社会が学ばなければ、「AI独裁」のはるか以前に、日本が「独裁社会」「人民ロボット化社会」に進んでゆきますぞ。