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2025-10-15 07:11:00
自民党総裁に高市氏が選出されたものの、さてこの人が首相となって政治を展開することに対して、まずはさしあたり首相に簡単に選出されうるものなのかからして「危機」となった(公明党が提携継続のための念押しとして「4条件」を提示したが、特にその中の「政治とカネの問題」にけじめをつける、という条件が、どうやら高市内閣では保証しがたい空気が否めないので、公明党は提携離脱を表明した。これが「高市政治」の第一歩であった)  野党3党が集まって統一行動の可能性を議論したが、「政策のすり合わせ」なぞということが簡単に行えるはずもない。自民党内には、いっそ当面石破続投として、政局を練り直す時間を稼ぐほうが利口だという声すら上がったというのだが。さてどこへゆく、政局。10/14 毎日新聞掲載 「『視界不良』の首相指名 高市氏選出の確証なし 石破氏続投論も」。ご一読あれ。私は、いい考えだと思うよ。石破さんの人物、今のどの「候補者」にも増して信頼できる能力の持ち主だとおもう。いま水面下に表れている「仮想通貨」と通貨の関係も、この政治家なら日本国に憂いのない処置をとるだろう。
2025-10-14 14:20:00
この世界的「家族の型」分類のありようは、「家族の型」を、「核家族」、「直系家族」「共同体家族」に三分類し、「親子関係」が「自由か、権威主義的か」、「兄弟関係」が「平等か、不平等か」、「婚姻範囲」が「外婚制か内婚制か」などに分けている。とくに女性の扱いが問題になる場合もある。そして「歴史的に最も新しいのは共同体家族で、最も原始的なのが核家族である」という説明が付してある。/それにしても、よく言われる「女性は原始、太陽であった」というセリフは、たいへんな誤解を伴う。そもそもこの場合「原始」とはどの時代を指すのかすら定かではなかった。最初の人類の「家族の型」で数千年続いたとおもわれるのが、「核家族」だが、トッド氏にいわせると当時は「なんでもありえた」、ただ、男女で牧畜対農耕のような、性にる役割分担はあったろうと。歴史的には「核家族」、「直系家族」、「共同体家族」という流れだったいう「もの静かな規定」に、おそるべき逆説の基本がある。従来私なども「核家族」というのは人類社会が何千年もの発達をした結果、今日生み出した家族類型ではないかと信じて疑わなかった。これじゃ「近代欧州」という思い込みがひっくり返るわけだ。「人類史最先進の米国」も、形無しになるわけだ。以降期待されたい。
2025-10-14 13:05:00
トッド理論の基本になっている国民的「家族の型」は、ずばり、次のようなものだ。トッド氏『人類史入門』19頁の「トッドの家族類型」一覧表をもとにしている。「絶対核家族」。「子供は成人後、親元を離れ、結婚後、独立した世帯を持つ。遺産相続は親の遺言で決定。親子関係は自由で、兄弟間の平等に無関心。英米など。」「平等主義核家族」。「英米型と同様に、子供は結婚後、独立した世帯を持つが、相続は子供たちの間で平等に男女差別なく分け合う。フランス北部、パリ盆地、スペイン、イタリア南部など。」「直系家族」。「通常は男子長子が結婚後も親と同居し、すべてを相続。親子関係は権威主義的(親の権威に従う)で、兄弟間は不平等。日本、ドイツ、フランス南西部、スウェーデン、ノルウェー、韓国など。」「共同体家族」。「男子が全員、結婚後も親と同居し、家族が一つの巨大な『共同体』となる。相続は兄弟間では平等で、親子関係は権威主義的。」「外婚制共同体家族」。「イトコ婚を認めない共同体家族。中国、ロシア、北インド、フィンランド、ブルガリア、イタリア南部のトスカーナ地方など。」「内婚制共同体家族」。「イトコ婚を奨励する共同体家族。アラブ地域、トルコ、イランなど。」
2025-10-14 06:46:00
大なり小なり、物事が劇的に変わるときには、まず「思考枠の逆転」が起こっている場合が多い。今度日本でもらったノーベル賞だって、ニュースで知らされていることでは、「生理・医学」の場合、「免疫」という普通なら生理を助ける要因を、それがただ今の生理の妨げになっていたので、「免疫を制御する」という思考に立ったし、「化学」の場合、普通なら物体の実体を扱うのに、その物体にたまたま生じた特別の空間(空隙)のありように思考を集中したんだと。「逆手」から出発したところに、研究初期の「不評判」があったという。トッド理論も、最初は「とんだ保守反動思想」に聞こえるような「恐るべきおもいつき」からスタートしたと、トッド氏自身がいう。1970年代ソ連のブレジネフ時代に、ロシアの「家族の型」に根差す「人類社会的事情」にトッド氏はある種の「傾向」を認め、その傾向からソ連共産主義体制がまさに崩壊に瀕していることを読み解いた。この「予言」が「当たった」ことが、その後実に半世紀もの間トッド氏がこういう種類の政治的予言の試行錯誤を幾たびも繰り返して今日にいたるまでにトッド理論を巨大に育て上げたのである。年季が入っている。その「予言」が最終的に今やトランプ体制に焦点を絞っている。(そして私見では、どうやらトランプ氏はトッド理論に気が付いて、いくつかの事細かなトッド・シフトをとっているようだ。)このことが今のトランプ氏が「不思議な行動」をとるケースのいくつかを明瞭に説明するだろう。
2025-10-14 05:32:00
新しい思想に出会った者が最初に浴びせる「思想感」は、「これは保守反動思想ではないか」、「これは悪名高い人種論の一種ではないか」とするものだろうと、トッド氏自身がよく承知している。「人類の思想たるべきものは、何ものにもとらわれない個人主義に立つべきものだ」と自然に考える人は、「家族の型」という社会的・歴史的前提で考えるという思考は、「とんでもない保守反動」とトッド氏の思考を断じることになるやもしれぬ。もっともトッド氏は「トッド氏の思考が誰にとっても絶対の条件になるべきものだ」とは明らかに考えていない。「抽象的思考の世界」ではかのルネ・デカルトを生んだフランス思想界から出た人だ。抽象的思考に親しんで出発している人である。「こういう思考もありうる」と提示しているのだ。しかも思考の焦点は「政治」という狭いテーマに収斂している。/人種論というのは、ある人種に属する人間が人生で宿命的にある決まった行動様式をとると決めてしまうという考え方だか、ある国民が歴史的に属する「家族の型」がその国民の政治的行動に宿命的にある行動様式をとらせるというトッド氏の思想は、「ある意味で人種論のようなものだろう」とされても、否定はできない。確かにトッド氏の議論では、「国民的な家族の型」の影響から遠ざかる、あるいは縁がなくなってゆく条件がありうることも論じられてはいるが、この条件たるやとてもにわかには間に合いそうもない条件だ。要するにトッド氏は、おそるべき国民国家的政治論を示しながら、だからと言って人類普遍の抽象理論を全否定しているのではない。ありていに言えば、「こういうことも考えてみたら」としているのだ。
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