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2025-11-07 07:15:00
これは実は7.年前の2018年に米国で出版・発売された有名な本の題名で、"Fear:Trump in the White House."Simon & Schuster, Inc. by Bob Woodward 2018年である。日本でもすかさず翻訳、出版された。ボブ.ウッドワード著、伏見威蛮訳、『恐怖の男 トランプ政権の真実』日本経済新聞出版社、2018年、2200円+税である。この本は2010年の出来事から説き起こしているが、これはトランプ氏がオバマ大統領に対抗して立候補していた時だ。それにしても、ありていに言えば、この本の本当の出発点は、トランプ氏が「オバマ後」にヒラリー候補と大統領職を競り合っていた2016年の選挙戦であろう。どうやらこの著名な著者(ボブ・ウッドワード氏)は、2016年当時はヒラリー氏が本命でヒラリー氏が優勢だと思いながら、「選挙戦から大統領最初の1-2年」を描くため「ヒラリー氏を想定して」取材中だったのだろう。(じつにこれ、同氏の著名な著書『大統領執務室』で、ビル・クリントン第1次政権を描いたひそみだ)/私はたまたま数日前にブックオフでこの『恐怖の男』を220円で買い、内容を紐解いて驚いた。なんとトランプ氏のキャラクターが赤裸々に描かれている。この本が図らずもドナルド・トランプ版「大統領執務室」になったのだ。そして米国社会はすでに広範にトランプ氏の政治的キャラクターを知っていたのだ。『恐怖の男』の宣伝文として、「ここは、すべてが狂っている 衝動に満ちたトランプの意思決定を暴いた全米ベストセラー!」。ピックアップされているトランプ氏の言葉「真の力とは--この言葉は使いたくないんだが--恐怖だ」(まさに日本に異常な関税を強要するトランプのパワーは、「恐怖」だね。)//この人物の「エプスタイン疑惑」はなんとも名状できない醜悪さだが、この『恐怖の男』の示すところでは、すでに米国社会は、当時イギリス情報局秘密情報部のクリストファー・スティールがかいたという「スティール文書」で、トランプ氏がロシア出張中に行ったという奇怪な行動を話題にしていた。「トランプは、モスクワのリッッ・カールトン・ホテルのプレジデンシャル・スイーツに宿泊した。オバマ大統領夫妻がロシア公式訪問の際に滞在したことを、トランプは知っていた。売春婦を何人も呼んで、目の前で放尿ショーをやらせ、ベッドを汚した。」(同書109頁)なぜこんなことをトランプがやったかというと、オバマ大統領への嫌がらせである。どうしてこんな秘密事情が知られることになるのかというと、ロシア当局が秘密カメラを仕掛けていてそこに映っていたからだと(秘密情報員が何らかの手段で入手したのだろう)。そしてトランプ氏はそういうカメラの存在を十分に承知していたのだろうと。それ以上に姦しかったのは、ロシア疑惑で、ロシアが情報戦で大統領選挙に介入したのではないかという疑いである。この二つのロシア疑惑は、オバマ政権の知るところとなったが、オバマ政権はこの取り扱いに苦慮した。//ボブ・ウッドワード氏といえば、ニクソン大統領の疑惑を暴いて記事にし、それがニクソン失脚ということに決着したので有名になったジャーナリストである。おくれぱせながら今後トランプ氏の政治に言及するさいに、機会があればこの『恐怖の男』を参考に引用させていただくつもりだ。