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数ある「ビッドコインを買え買え」キャンペーンはあの手この手の口実を構えて、さあいまビットコインを買えばどんどんもうかるからと、絶叫している。/ひとつ、まじめな、「形而上学」をご提示しよう。そもそも法定通貨(その代表が米ドルだろう)に、法律的縛りという問題をちょっと外して言うのだが、いったいどんな発行根拠があるのか、ひいてはどんな流通根拠があるというのか。「そんなもの、何一つないではないか」と自問自答するわけだ。きわめて多数の人々が、それを信用して、使っている、と言うだけのことではないか。これはとくに若い人々には、うーんなるほど、という高遠な哲学的提言だろうね。/そこへ行くと、ビットコインというものには、明瞭な発行根拠がある、膨大なエネルギー(多くは電力)を使ってビッドコインが「生産」(マイニングと称するが)されている。つまり「膨大なエネルギー使用量」が発行根拠ではないか。これも特に若い人々にはよくわかる発行根拠である。(してみれば、そういう「確固たる」発行根拠を信じ、法定通貨側には何一つ発行根拠がないことと鋭く比較しながら)「人々がこのビッドコインを通貨としてどんどん使用すればいいだけのことだ」。すごくわかりやすい屁理屈だ。(ただ、現実には、「通貨として使用する」ことが、なかなかありえないことだ。それで、実際には、BTCと紐づけした・たとえばBTCを「準備資産」とした・あるいは一部分の「準備資産」とした、さまざまなタイプの「仮想通貨勘定」を作って、さまざまなデジタル貨幣もどきを発行・その代表的存在がトランプ氏ご推奨の「ステーブル・コイン」だろ・)して、若い人々に盛んに加入してその「デジタル通貨もどき」を使うよう現に進めており、そしてこのデジタル通貨もどきという姿ではいまそれなりに現実化してきたが、なおかつ法定通貨にはなかなか及ばぬのだ。/ビッドコインについては、若い人々はその可能性を信じて、通貨として使うためではなく、自分の資産として買い貯めなさいよ、と勧めているのである。いま買えばいずれは大儲けになるからと言ってね。まあ生活自体が成り立っている若い人々が、「貯金」がわりに「何十年後の自分の老後のために」BTCを買うのなら、それでいいじゃないの。戦時中に日本政府の軍事公債を強制的に買わされて、負けてみたら一文も戻らなかったのと比べればはるかに「中身のある夢」だ。/法定通貨(たとえばドル)の場合、半世紀前までは金準備・金兌換発行という建前があって、金にはおおせのごとく「産金」というリアルな根拠がある、それがニクソンの時、政府自ら「金の縛り」をやめてしまった。しかし金は相変わらず金市場で最有力かつ貴重な資産として売買され、史上まれにみる高値を呈している。そしてあらゆる「準備資産」のなかでもつとも「貴重な部分」として尊重されている。「ゴールド」だね。この「ゴールド」と法定通貨の「社会的歴史的関係」がいわく言い難い緊密なものなので、「結局は、ゴールドが法定通貨を社会的に支えている」と皆が思っているわけだ。(この「支え」の中の枢要な存在が連邦準備制度であり、とりわけその議長なのだ。その議長は「どんな工夫と努力を日夜行っているか」しりたければ、グリーンスパン氏の著書でもよんてみたらいいよ。)わたしは素人だから、「いわく言い難い知恵と努力」としておこう。ただ、いうなれば、これまた21世紀的な「社会システム」だと思うよ。トランプ氏は端的にFRB議長を左右することで経済を動かそうとしているが、はてさて乱暴な話だ。(昔から権力者が直接FRBを動かしたがった実例は周知のごとし。)/イーロン・マスク氏がなにかいってることにつられて、駄文を書いた。