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2026-01-12 06:26:00

「人新世」という名称は、ノーベル化学賞受賞者のパウル・クルッツエン氏が提唱した名称で、「人類が地球の地質や生態系に与えた影響に着目し、提案されている地質時代区分名」であって、いわゆる正式の地質時代区分名ではない。「人類の活動が地球規模の環境変化を引き起こしている」という強い認識に基づいているもので、現代は地質学上の正規の呼び名は「完新世(沖積世)」なのだが、その完新世の時代の最中に「特に人類の環境破壊活動が活発になった時期」をいうものと、理解される。(端的には20-21世紀ではなかろうか)

この「人新世」という名称は、斎藤幸平さんが『人新世の「資本論」』という本を集英社新書としてお書きになったことで、読者の話題に上るようになって、それから急に知名度が増した。斎藤さんはいうなれば経済思想家で、資本主義がいま地球を破滅に追いやっている、と力説しておられる。/私はこういう解説を書く時、AIのお世話にもなっているが、むだからって自分が人間中心主義だとは思わない。「人新世」という言葉を聞いて、言葉の語感を「人間中心主義」ではないかと感じる人があるやもしれぬが、それは大きな誤解ではないか。その反対に「人間中心主義を戒める思想」から出た言葉であろう。

もし人知による科学技術の発展が「地球破壊の宿命」を乗り越えて「地球の創造的発展」に向かうなら、今度は「知性代」のような名称をとなえることになるかな、とうがったことを考える人もいるようだが、私はこれはひどい空想だと思う。道理の裏付けに欠ける、語呂合わせだけの発想ではなかろうか。むろん地球の環境破壊を防ぐために現存科学技術から適当な手段を選ぶことになるやもしれぬが、そのことを以って「やはり人知の輝かしい勝利ではないか」と、説こうというのかね。/地球の議論、もう少し続けます。