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2025-10-18 15:14:00
国民国家の経済社会を取り扱う知見は、日本では近代に入って、「経国斉民の学」といわれるようになった。さて、今私たちが生きて、生活しているこの日本国で、どういう内容のものを「経国斉民の学」と考えたらいいものだろうか。勝手ながら、私が考え、行ってきたことをそのまま述べよう。私は、大塚久雄先生の「国民経済」論がそのようなものであると考え、人にもそのように話してきた。さて、今、大塚久雄先生の「国民経済」論は、書店ではどうなっているか見たら、驚いたことに「簡単に入手」できるのではないかと思っていた大塚久雄著が、確かに古書として扱う書店がたくさんネットにあるが、たいてい非常に高い価格で頒布されている。代表的著作は大塚久雄著作集だが(その第6巻が「国民経済」である)、たとえば「楽天」では、1冊3000円で出ている。「アマゾン」ではなんと同じ本が、(どういうわけか同じ本なのに)何種類もの価格がついていて、一番高いのが1冊6000円としてある。(復刻版出版のアンケートが某書店で募集されている。)図書館なら間違いなくたくさんあるから、初めて読む人ははじめから図書館に行かれたほうが良い。近年、昔よく読まれた社会科学・人文科学の本も、価格が暴落していて、たいがい100円か200円、多少読まれて500円、1000円はめったにない、という古書価格なのに、大塚久雄先生の本は日本国民によく読まれているといまさらながら納得した。