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2025-10-20 16:35:00
まあ、なんとものんびりした話だが、世間が緊迫しているときほどそういうことが必要だろうと思う。それで今選んでいる教養が二途ある。ひとつは、徳間書店の『十八史略』1999年、というのを買った。中国の有名な史書18種ある(最初のものが『史記』)。太古から宋代までの中国歴史を記述しているこの18種の史書から、人口に膾炙した部分だけを切り取って編集したダイジェストで、学生が中国史に親しむよい入門とされていた。ちなみに「宋まで」なのは、次の「元」で異民族支配にあったから、宋までとすることで「漢民族の故事」と考えようというのだ。/もう一つは、アメリカ史を回顧しようという。オリバー・ストーン&ピーター・カズニック『合衆国の語られざる歴史』全3巻、早川書房、2013年、である。米国史をおごり高ぶった物言い、を反省して述べるという強い意志に満ちている。そしてその参考書としてまことに好適な本を得た。『英和学習基本用語辞典・アメリカ史』アルク社、2009年、という大冊である。アメリカ史に出てくる事項を事典にまとめている。この事典にはアメリカ史を学ぶための基本的参考文献が示されているが、そのなかに私がすでに持っているHoward Zinn, A People's History of the United States, New York, Harper and Row, Publishers, 1980があった。この機会にいくらかでもこの辛辣な米国史が読めるかもしれない。 デモもストも結構だが、思想を信じるなら、いまは米国史に強い回顧と自己批判の機会をもたれたらいい。これらの書物はそういう気概に満ちていた。この機会に「アングロ・サクソン」の歴史性をよく考えてみたい。