このプランで、利益が得られるのですか
これは、合理的なプランなのです。それをご理解いただくためには、いま札幌で賃貸業者(とくに単身者用のワンルームだけで成り立っているアパートの賃貸業者) が置かれている悲惨な実状を知っていただく必要があります。
いま仲介業者は、「部屋代2ヶ月分」相当の仲介料を要求します。そして部屋が「ぴっかぴか」であるよう要求します。ところが単身者をとりまく経済条件が近年非常に悪化したので、入居した単身者の退去率が非常に高いのです。少なからぬ人数が1年以内、はなはだしくは数ヶ月で退去します。これに従来のアパート賃貸借2年、敷金1か月、清掃料で取り組んでも、とても計算に合わず、しかし入居するときにはその人が居住する期間は推し量れません。従来のビジネスモデルがすっかり崩壊しているのです。
むしろ、現実に正直に、数ヶ月しか居住できない人でも契約して入れられるようにする(最初3か月という契約期間を、提案します)。入居しやすいように敷金なし保証人をなしにする。ただ賃貸側に最悪のリスクを負わせないために、定期借家権契約にし、かならず毎月の前家賃にする。仲介業者を介さない直接契約にする。これが単身者向けワンルームの賃貸側の 新しい方向の工夫です。また、1. 部屋はご覧になった状態でご入居いただく。2. 部屋の清掃は住人の責任とする、ということにさせてください。
引っ越しという問題もあります。大量の引っ越し荷物と一緒に入ってきて、退居するときはその大量の荷物の扱いに困る、というような、不経済な生活スタイルを止めて、「引っ越しなし」で入ってきませんか。それでなんとかなるように、事前に話し合いませんか。
こういう「シンプル・ライフ」の工夫は、この辺でストップしていいというものではないと思います。
この問題にはまだまだいろいろな側面がありますが、崩壊している現状を現実的に解決しようというまじめなプランなのです。
私は、この新しい方向は、むしろこれからさまざまな理由である程度長期に北海道に居住したいと考える本州の人、あるいは海外からの人を仮想の対象とするほうが、前向きであると思います。この方向にはそれなりの工夫とリスク負担を要しますので、従来の同業者のシエアを荒らさなくて済むと思います。特に海外の顧客をどう招くかは、まったく新しい市場ですので、大いに工夫が必要だと思います。